ページID:125671更新日:2026年4月10日

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令和8年度年度はじめ知事訓示要旨

 

令和8年4月1日(水曜日)     

  • 知事訓示

 

この年度の節目に当たり、先月末をもって無事に務めを終えられた112名の退職者の皆様をお送りいたしました。

コロナ禍や物価高といった困難な時期を、ともに駆け抜けてくださいました。

その現場での奮闘があったからこそ、山梨県政は前に進むことができた。長年にわたる御貢献に、心からの敬意と感謝を申し上げます。


また、本日は204名の新規採用職員をお迎えしました。

この変革の時代に、高い志をもって公務の道を選んだ皆さんを、心から歓迎いたします。


訓示に先立ちまして、皆さんと一つ確認したいことがあります。

県庁の至高の価値、究極の目標は、「県民利益の最大化」―ただこの一点にあるということです。

皆さんの日々の仕事の一つひとつが、県民の暮らしに直結しています。

だからこそ、あらゆる判断をこの基準に照らしていく。

これを、ぜひ私と皆さんとの共通の約束としたいと思います。

そのためには、常識とされているもの、前例とされているものについても、根本から見つめ直す姿勢が欠かせないのではないでしょうか。

「前例があるから」あるいは「慣例だから」という理由で思考を止めてしまうことは、結果として県民への裏切りにつながりかねないことだと私は思います。

この認識を、私を含め、組織全体で共有していきたいと思います。


この「県民利益の最大化」を実現するために、欠かせないものがあります。

それは挑戦です。

知事就任以来の7年間、私は常に「停滞を許さず、山梨の未来へ挑戦し続けること」を信念としてまいりました。

そしてその信念を現実の成果に変えてきたのは、他ならぬ県庁職員の皆さん一人ひとりの力であります。

私たちはいま、単なる過去の延長では説明できない変革の真っ只中にあります。

人口構造、物価、国際情勢、産業、エネルギー市場。どれをとっても前提が丸ごと組み替わる時代であります。

前例踏襲型の対症療法や、外から与えられる模範解答は、もはや通用しなくなってきているのではないでしょうか。

このような時代だからこそ、私たちは山梨県の歴史に立ち返り、「チャレンジ」と「公益の追求」をあわせもつ「甲州財閥」の精神を、改めて行動原理として胸に刻むべきではないかと思います。

困難を避けるのではなく、正面から引き受ける。

表面的な摩擦を恐れず、地域全体の未来に資する選択を重ねる。

その挑戦の積み重ねこそが、次の時代の山梨を力強く切り拓いていくのだと信じています。


そして、失敗上等です。

挑戦の先に失敗というものはつきものであり、失敗しないということは、挑戦していないことと同義ではないでしょうか。

恐れるべきは失敗そのものではなく、失敗から何も学ばないことだと思います。

なぜ失敗したのか、その要因を分析し、改善策を導き出し、それを次なる成功へとつなげていく。

この「失敗からの進化」のサイクルを、ぜひ組織の隅々にまで一緒に根付かせていきたいと思います。
では、その挑戦をどのような形で実らせていくのか。

変革の時代に私たちが掲げるべきは、抽象的な理想でも、自己満足の計画でもありません。現場で実装され、検証され、そして次につながる具体的な「解」であります。


困難な課題から目を逸らさず、指示を待つのではなく、必要な決断を果敢に引き受ける。

この姿勢こそが、県民の皆様のご期待に応え、山梨の未来を切り開く唯一の道ではないかと考えています。


本日からスタートいたしました新たな組織体制におきましても、この点を強く意識しております。

本県はこれまで、国や他県の後を追う存在ではなく、世界や日本全体が直面する課題に対して、地方の現場から具体的なモデルを示してまいりました。

これは県庁職員の皆さんが現場で積み重ねてきた実績そのものであり、山梨県庁の大きな誇りです。

今年度もこの矜持を胸に、「答えを待つのではなく、自ら創り出す」という精神で、ともに挑戦を続けていきたいと思います。


こうした具体的な「解」を生み出していくための枠組みについて申し上げます。

施策の推進に当たりましては、引き続き、「県民お一人お一人に豊かさの実感をお届けする」という究極目標を掲げます。

その上で、外からの風にも揺るぐことのない暮らしや産業の基盤を築く「ふるさと強靱化」と、あらゆる可能性を取り込み新たな価値が創出される「開の国」づくりの 2つを大きな柱とします。


これらの大原則のもと、必要とあらば施策を機動的に入れ替え、社会や環境の変化を機敏に捉えた施策を展開していきます。

同時に、この施策は机の上だけで完結するものではないと考えています。

地域の暮らしや営みの実態をしっかり見据えることが大前提ではないでしょうか。

ぜひとも現場に赴き、当事者の皆様の声に耳を傾け、問題意識に直に触れることで、私たちが何をなすべきかを一緒に考えていきたいと思います。


さらに、もう一つ大切な視点があります。

県政の仕事は、目の前の局面だけを乗り切れば良いというものではないように思います。

単年度で完結する事業の集合体ではなく、翌年、その先の判断につながる「積み上げ」として設計されてこそ、真に意味を持つのではないでしょうか。
制度として定着するのか、運用として回り続けるのか。

その過程をしっかり記録し、検証し、改善点を次に引き渡す。こうした地道な積み重ねこそが県政を前進させてきた原動力であり、それを担ってきたのはまさに職員の皆さんであります。
日々の業務を「点」で終わらせるのではなく、「線」として捉え、自らの仕事が次の一手につながっているかを意識する。この視点を、ともに大切にしていきたいと思います。


そして、こうした挑戦と積み上げを担う組織の力を一層強くするために、若手職員の可能性を最大限引き出すことも極めて重要と考えています。

古い常識が通用しない構造変動の中では、具体的な「解」は、必ずしも従来の手法から生まれるとは限りません。

若手職員を「将来のための準備要員」ではなく、「成果を生み出す主役」として位置づけ、役割を与えることが、私たちの変化に対応し続けるための大きな力になると思います。
途中の相談は歓迎しつつ、任せるところはしっかり任せていく。

仮に失敗があっても、原因を明らかにし、フォローすることで、次なる成功へとつなげる。

改善と再実装のサイクルを回し、組織全体の柔軟性と実行力をともに引き上げていきましょう。


以上を踏まえまして、最後に私自身の決意を申し上げます。


私にとりましては、2期目の任期の仕上げの1年とも言うべき年度であります。

しかしながら、安全運転をするつもりは一切ありません。県民利益の最大化のために、攻めて攻めて攻めまくる。

最後の一日まで、具体的な「解」を一つでも多く積み重ね、県民生活の豊かさに直結する成果を届けたい。

これが私の思いであり、皆さんと一緒に走り抜きたいと心から願っております。
皆さんお一人お一人がそれぞれの持ち場で主体的に考え、行動してくれている。

私はそのことをよく知っておりますし、深く信頼しております。

だからこそ一緒に前進を続けていきたいと思います。今年一年、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

(以上)

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