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ページID:125118更新日:2026年3月23日

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令和8年2月県議会知事説明要旨(追加提案)

本日、追加提出いたしました案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。

県民の皆様の大切な財産を守るため、将来に向けた県有地貸し付けのルール明確化へ  -富士急行の提訴を受け、やむを得ず応訴-

 

今般、富士急行株式会社が、山中湖畔県有地で行っている別荘地事業に関し、県が転貸等の承諾を保留した結果、損害が生じたなどとして、今月10日、県に対して約10億円の損害賠償を求める訴えを甲府地方裁判所に提起したところであり、この訴訟提起に対して、県は法廷で争うことと致しました。

これらの訴訟の追行に当たり、弁護士と訴訟代理委任契約を締結するため、着手金1,700万円余の追加計上及び債務負担行為の設定を行うものであります。

令和5年8月に県有地の契約を巡る訴訟が決着して以降、県としては一貫して話し合いによる解決を望んで参りましたが、このような法廷闘争を持ち込まれたことは誠に残念でなりません。

しかし、県として応訴しないまま10億円もの賠償責任を負うことはできません。

このため、県民の皆様の大切な財産を守るため、やむを得ず法廷で争うこととしたものであります。

「県が無用な争いを起こしているのでは」と誤解される向きもあるかもしれませんので、この場をお借りして、これまでの経緯を改めて御説明申し上げる次第であります。

県は、富士急行の意向も踏まえ、民事調停という枠組みで協議を進めることとしましたが、この協議が始まろうとする矢先の昨年6月、突然、富士急行から甲府地裁へ仮処分命令の申し立てが行われました。

また、県ではこの仮処分の地裁決定に対し、先日、保全異議を申し立てたところでありますが、これは決定に異議がある場合に認められている法律上の通常の手続きを踏んだに過ぎません。

ところが今回、それらの手続きとは全く別に、新たに約10億円の損害賠償請求を提起され、県が調停などの手続きを進める度に、富士急行側が新たな法的手続きで応じてくるという構図が繰り返されているところです。

これを整理いたしますと、県が相対での話し合いを求めると、富士急行は民事調停を提案。

富士急行が、昨年6月、仮処分命令を申し立てたため、この決定に対して、県では法律上の通常手続きである保全異議での対応を表明したところ、約10億円もの損害賠償請求の提起に及んだものであります。

このように、富士急行が、その都度話し合いから脱線し、時間と費用を消費せざるを得ない状況を生み出しておきながら、県の責任として認識されてしまうことは、誠に残念であります。

また、「県が承諾料を求めなければ速やかに解決が図られるのではないか」という御意見もあろうかと考えます。

しかしながら、転貸の際に承諾料を土地所有者に支払うことは、極めて一般的な商慣習であり、借地関係の紛争では、法に定められた手続きにより裁判所が土地所有者の承諾に代わる許可を出す際に借り主に対して、承諾料の支払いを命じるのが一般的であります。

また、県では、円滑に協議を進めるため、「承諾料の支払い義務があることを認めるならば、協議が継続している限り、承諾料の支払いを求めず、申請を速やかに承諾する」と踏み込んだ提案を重ねて参りました。

ここまで誠意を尽くしてもなお、富士急行は承諾料の支払いに関する話し合いを拒否し、約10億円もの巨額の損害賠償請求を持ち出しました。

参考までに申し添えますと、県が求めていた承諾料は、合計約1,700万円に過ぎず、これは富士急行が損害を受けたと主張する8億6,500万円の僅か約2パーセント、50分の1にも満たない額であります。

しかも、富士急行の意向が合理的であれば、減額することさえ考えておりました。

また、甲府地裁の仮処分命令決定においても、「今後、県が、無条件で恒久的に承諾料を得られないことを是認するものではない」とされており、承諾料を求めること自体は裁判所からも否定されておりません。

富士急行は、山中湖畔の県有地を借りて別荘地事業を展開し、そこから相応の収益を得ております。

言うまでもなく、県有地とは、すなわち県民の皆様の共有の財産であります。

この土地において事業を営む以上、その事業規模に比べれば極めて僅少とも言える承諾料を支払うことは、社会的に納得のいく、ごく当たり前のことではないでしょうか。

その僅かな負担すら拒否し、一方で10億円もの損害賠償を求めるという姿勢が、県有地という公有財産の上で事業を営む企業として、果たしてふさわしいものなのでしょうか。

議員各位におかれましては、冷静に見極めていただきたくお願い申し上げます。

令和5年8月の東京高裁判決以降、県が当初望んでいたとおり民事調停など信頼関係に基づく話し合いで協議が進んでいれば、弁護士費用は、県の概算で約2,400万円程度に収まっていたものと考えております。

しかしながら、富士急行が仮処分や損害賠償請求といった別個の法的手続きを次々と持ち込んだため、その度に、より一層の応訴体制の強化に迫られ、今般、応訴しなければ10億円もの支出リスクを放置することとなり、県民の財産を守るという責務を果たすことができません。

本議案に計上した費用は、県が自ら望んだものではなく、あくまで富士急行側の訴訟提起により余儀なくされたものであります。

なお、弁護士費用自体も議会に御了知いただいた指針と旧日弁連基準を基に、更に弁護士との交渉を通じて基準よりも低く見積もっており、不当に高額な報酬額ではないことを御理解願います。

県としては、今なお話し合いを望んでおりますが、約10億円という破格の損害賠償請求訴訟が提起された以上、県民の財産を守るために、やむを得ず対応せざるを得ない状況にあります。

ただし、本件を契機に、県有地貸付の在り方について法的透明性・安定性・公正性を確保し、将来に向けた県有地貸し付けのルールを明確化させたいと考えております。

何とぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。 

 

令和8年3月23日

                         山梨県知事 長 崎 幸太郎

 

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