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ページID:127075更新日:2026年8月10日
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クニマスという希少な魚は山梨県の西湖にのみ生息しており、絶滅が心配されています。
一方で西湖は富士山が噴火した場合、溶岩流が到達する恐れが高いです。実際に、平安時代の貞観噴火では現在の西湖がある場所まで溶岩流が到達し、湖の魚やカメが全滅したという記述が「日本三大実録」にあります。
また、溶岩流を伴わない噴火でも降灰や火山ガスの噴出によって湖のpHが下がり、西湖の生態系が破壊される恐れがあります。実際にクニマスは酸性環境に弱く、田沢湖では酸性の河川水を導入した結果クニマスは全滅してしまいました。
富士山の噴火によって田沢湖と同様の悲劇を繰り返さないためにも防災政策は必要です。山梨県やその他の研究機関は有事に備えたクニマスの保護、例えば他の水域へのクニマスの移植や種苗の配布、又は西湖への溶岩流到達を阻止する設備の建設といった政策を実施する計画はありますか。ご回答よろしくお願いします。
いただいた「富士山噴火におけるクニマス及び生息域の防災に関する質問」につきまして、食糧水産課からお答えいたします。
クニマスは、かつて秋田県の田沢湖のみに生息していましたが、昭和15年に強酸性の河川水が田沢湖へ導入されたことにより、絶滅したものと考えられていました。その後、平成22年に山梨県の西湖で生息が確認されました。
現在、クニマスが自然繁殖していることが確認されているのは西湖のみであることから、絶滅のリスクに備え、その保全に取り組むことは重要な課題です。このため、県では、水産技術センターを中心に、西湖におけるクニマスの資源量や産卵環境の調査、湖底に設置した固定カメラによる産卵状況の観察など、クニマスの保全に必要な知見を得るための研究を進めています。
富士山が噴火した場合、その規模や噴火地点によっては、クニマスの産卵場を含む西湖の生息環境が影響を受ける可能性があります。このような事態が生じた場合にもクニマスの系統を保存できるよう、県水産技術センター忍野支所などにおいて、飼育、人工採卵、授精および初期飼育などに関する研究を行い、完全養殖を安定的に行うための技術開発を進めています。さらに、東京海洋大学との共同研究により、クニマスの生殖細胞を凍結保存する技術や、その生殖細胞を移植したヒメマスなどを代理親として用い、クニマスの個体を作出する技術についても研究を行っています。これらは、クニマスの自然の生息地である西湖の外で、その系統を保存する「域外保全」に向けた取り組みとなります。
一方、クニマスを西湖以外の天然湖沼へ移植することについては、移植先の生態系や既存の水産資源に影響を及ぼすおそれがあることから、極めて慎重に検討する必要があります。このため、県では、現時点において、他の天然湖沼への移植ではなく、管理された施設での飼育・養殖技術の確立や生殖細胞の凍結保存などによる域外保全を進めています。
県では、引き続き、西湖におけるクニマスの生息状況や産卵環境の把握に努めるとともに、域外保全に関する技術の向上を図り、クニマスの保全に取り組んでまいります。
このたびは、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
クニマスについては、食糧水産課へお問い合わせください。