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定点情報(2024年第19週:5月6日~5月12日)/ その他情報(公表までに把握した情報)
(5月16日 山梨大学医学部附属病院 井上 修 医師)
〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
定点医療機関から報告された新規感染者数は、前週の79名(定点あたり1.93)に対し第19週は122名(定点あたり2.98)でした。前週と比較して若干増加しています。下水中の新型コロナウイルス量も前週と比較して約3倍へ増加していることから、県内では再び感染者数が増加しつつある恐れがあります。昨年もこの時期から8月にかけて感染が拡大した事から、本年も警戒が必要です。
【インフルエンザ】
定点医療機関から報告された新規感染者数は、前週の34名(定点あたり0.83)に対し第19週は18名(定点あたり0.44)に更に減少しました。
【RSウイルス感染症】
乳幼児の間で感染が拡がりやすい呼吸器感染症ですが、成人にも気管支炎や肺炎を引き起こす事があります。咳での飛沫や鼻汁などで感染が拡がります。インフルエンザ同様報告数は減少傾向です。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
ここまで患者数が多く報告されていた甲府市でも減少傾向となっています。しかし保育施設や家庭内など集団生活の場で感染が拡がりやすく、今後も増減をくり返す可能性があり油断できません。
〇対応
5月の連休も明け日常生活が戻りました。連休により保育施設や学校、職場での感染拡大が抑制される一方で、ヒトの移動が増えたことによる影響や社会生活が通常に戻ったことでいろいろな感染症が再度拡大する可能性がある時期です。昨年は新型コロナウイルス感染者の定点報告数が5月以降8月にかけて約6倍に増加しました。新型コロナウイルスに何度も感染してしまうことは決して稀ではありません。罹患後の体調不良、いわゆるコロナ後遺症の不安もあります。これから夏休みまで、換気や手洗い、咳エチケットや体調不良時の対策など、家庭内や職場、学校現場で適切な感染対策を継続することが大切です。
これからの季節は、草地や藪などでマダニや蚊の活動が盛んになります。このような場所へ散策に行く際や作業をする際には、吸血されないよう虫除けスプレーを活用しするとともに皮膚の露出を減らすなど虫に刺されないよう対策を行いましょう。
◆今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください !
*保健所毎や疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。
*3月末までトップページに掲載していたコロナ入院情報は 新型コロナウイルス感染症 のページに掲載しています。
2024年5月16日作成
インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内41箇所の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【黄色 注意報 今週なし】。
対象期間:2024年第19週〔2024年5月6日(月曜日)~2024年5月12日(日曜日)〕
インフルエンザ | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
19週 | 報告数 | 18 | 9 | - | - | 3 | 6 |
定当 | 0.44 | 0.69 | - | - | 0.33 | 0.67 | |
18週 | 報告数 | 34 | 16 | 10 | - | 4 | 4 |
定当 | 0.83 | 1.23 | 1.43 | - | 0.44 | 0.44 | |
17週 | 報告数 | 111 | 52 | 7 | - | 38 | 14 |
定当 | 2.71 | 4.00 | 1.00 | - | 4.22 | 1.56 | |
16週 | 報告数 | 179 | 80 | 15 | 1 | 57 | 26 |
定当 | 4.37 | 6.15 | 2.14 | 0.33 | 6.33 | 2.89 | |
15週 | 報告数 | 177 | 90 | 29 | 4 | 39 | 15 |
定当 | 4.32 | 6.92 | 4.14 | 1.33 | 4.33 | 1.67 |
新型コロナウイルス感染症 | |||||||
週 | 山梨県 | 中北 | 峡東 | 峡南 | 富士・東部 | 甲府市 | |
19週 | 報告数 | 122 | 47 | 21 | 4 | 24 | 26 |
定当 | 2.98 | 3.62 | 3.00 | 1.33 | 2.67 | 2.89 | |
18週 | 報告数 | 79 | 23 | 12 | 3 | 22 | 19 |
定当 | 1.93 | 1.77 | 1.71 | 1.00 | 2.44 | 2.11 | |
17週 | 報告数 | 174 | 67 | 24 | 14 | 43 | 26 |
定当 | 4.24 | 5.15 | 3.43 | 4.67 | 4.78 | 2.89 | |
16週 | 報告数 | 174 | 77 | 23 | 6 | 41 | 27 |
定当 | 4.24 | 5.92 | 3.29 | 2.00 | 4.56 | 3.00 | |
15週 | 報告数 | 175 | 86 | 23 | 13 | 36 | 17 |
定当 | 4.27 | 6.62 | 3.29 | 4.33 | 4.00 | 1.89 |
◆発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況や病原体検出状況などがご覧になれます)
新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
*新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。
新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状に併せて通常の風邪と同様に、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。
インフルエンザにかかっても、軽症で回復する人もいますが、中には、肺炎や脳症などを併発して重症化してしまう人もいます。
詳しい情報(臨時休業等の措置状況含む)は こちら
下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。
詳しい情報は こちら
★厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート
警報 |
なし |
注意報 |
なし |