ページID:122295更新日:2025年8月21日
ここから本文です。
防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項外 |
![]() |
知事
まず最低賃金に関してですが、先ほど山梨労働局長宛に最低賃金に関する要請を行ってきたところであります。
今週後半から本県の最低賃金額に関する議論が本格化されると承知しております。
県政を預かる立場として県民、企業経営双方のことを考え、また本県の将来を見据え要請を行ったものであります。
以下、本日行いました要請の考え方をご説明申し上げたいと思います。
まず最低賃金の位置づけに関して、ご案内のとおり、最低賃金は労働者の権利を守る制度として歴史的に位置づけられてきたところであります。
しかしながら、人口減少と物価高騰が同時進行する今の時代におきましては、働き手の生活を守る最後の砦であると同時に、地域経済の持続的な発展を導く戦略的な指標として再定義する必要があるものと考えております。
私としては、隣県と比べまして、明確な賃金格差が存在し、その差が、若年層を中心とする人材流出の要因の一つとなっている現状に、大変強い危機感を抱いております。
すなわち、本県の最低賃金ですが、隣接する全ての都県よりも低く10円以上の格差が生じております。
この差が放置されますと、若年層は本県に失望し、より高い賃金を求めて県外に流出し続ける、そのような事態をもたらすことが危惧されるところであります。
さらには、物価高騰の中で最低賃金が据え置かれることは、働き手の生活基盤を直撃し、県民全体の将来展望に暗い影を落としかねないということも危惧してるところであります。
他県におきまして、既に目安を超えます引き上げ答申が相次いでおり、一部では大変大幅な引き上げも見られるところであります。
全国的にも、地域間格差の是正を重視する流れが鮮明となっていく中で、山梨県だけが取り残されるようなことになってしまいますと、地域の競争力が損なわれ、働き手の生活を揺るがすことになりかねないわけであります。
これらの状況認識を背景といたしまして、今回の要請の趣旨ですが、以下の3点であります。
まず第1点目は、若年層への影響を重視し、東京圏をはじめ、近隣都県との最低賃金格差の是正を図っていただきたいという点であります。
そして、2つ目として、県として賃上げ原資の確保に向けた県内企業の生産性向上への取り組みの支援を強化していく用意がございます。
3つ目といたしまして、以上の2点を踏まえまして、山梨県の最低賃金につきましては、隣県との格差を是正し、物価高騰下にあっても働き手の生活が守られ、そして、県民の皆様が、将来に希望を見いだせる水準への引き上げを強く期待していること、以上3点をご勘案いただいた上で、労働局における議論を進めていただきたいということをお願いしたところであります。
改めまして、最低賃金の改定というものは、正規、非正規を問わず、特に、若年層の働き手に最も大きく影響いたします。
少子高齢化が急速に進む中において、若年層は本県の未来を担う貴重な存在であります。
その就業環境を整えることは、県にとって最も重要な課題でございます。
しかしながら、本県の最低賃金が低い水準に据え置かれるようなことになってしまいますと、若年層は本県に失望し、より高い賃金を求めて県外に流出を加速させかねません。
このような状況を放置したままでは、県民の皆様が安心して暮らし、家庭を築き、将来に夢を描くことが難しくなってしまう。
このことと同時に、企業経営におきましても、更なる人材不足に拍車をかけ、経営をより苦しいものとさせてしまうことが、容易に想像がつくところであります。
逆に、今、ここで格差是正に踏み込み、生活を守る水準への引き上げというものが実現できれば、若年層が県内で働く道を選びやすくなり、また、企業経営にとっても人材確保がしやすくなる、こういう好循環が生まれることを期待するものであります。
併せまして、こういうしっかりとした賃金が、人口減少への歯止めともなります結婚出産への希望を支えていくことから、本県全体の将来展望につきましても大きく切り開けることができると考える次第であります。
しかしながら、賃上げの原資の確保を巡りまして、企業経営に過度な負担が集中してはならないことは言うまでもないところであります。
働き手にとっての魅力ある環境づくりと、企業経営の安定、あるいは収益の改善、これらは、本来対立するものではないはずだと私達は考えています。
県としては、最大限の政策資源を集中いたしまして、この二つ、すなわち働き手にとって魅力ある環境づくりと、それから企業経営の安定・収益改善、この二つが相互に好循環をもたらすように積極的に後押しをしてまいります。
私は、最低賃金の議論というものが、企業経営の皆様にとりまして、大変重い課題であるということは十分に理解をしているところであります。
だからこそ、本県は、単に要請するだけではなくて、生産性向上やそこを実現するまでのつなぎの支援というものを通じまして、挑戦を安心して続けられる環境を整えていくとともに、1社1社の声にしっかりと寄り添いながら伴走してまいりたいと考えています。
まず、第1に企業が賃上げの原資をしっかりと確保できるように、生産性向上の取り組みを強力に後押ししてまいります。
生産性の向上こそが企業の持続的な成長と、賃上げ原資を生み出す根本的な力であると考えます。
具体的には、賃金アップ環境改善事業費補助金や省エネ・再エネ設備導入加速化事業費補助金などの既存の生産性向上のための補助事業の大幅拡充に加えまして、特に、中小企業に対しましては、経営効率を抜本的に向上させるためのDX導入支援の抜本強化を行います。
そして、働く人がスキルを高めることで企業収益の向上に寄与し、企業が賃上げ原資を確保できるようにするための「スリーアップの好循環」を実現するための支援を拡充させてまいります。
そして、第2に、これら生産性向上の成果が現れるまでには、もちろん一定の時間を要するわけでありますが、その期間を安心して乗り越えられるように、資金繰りなどのつなぎ支援を充実させ、挑戦を後押ししてまいります。
そして、第3に、生産性の向上支援に加えまして、企業の収益源拡大に寄与する新たな事業展開に向けました支援を拡充するなどの措置を講じてまいります。
これらにつきましては、まずは9月議会での補正予算を皮切りに、迅速かつ確実に実行に移すべく、今後検討を加速させてまいります。
県としては、この検討プロセスにおきまして、中小企業経営者の皆様の声を丁寧に伺い、1社1社の実情に寄り添いながら、真に実効性のある具体的支援策を講じていくことを旨といたしたいと思います。
そして、これらを不退転の決意を持って、確実に実行してまいります。
繰り返しになりますが、山梨県は、企業経営の皆様に過度な負担を押しつけることなくともに歩む姿勢を貫いてまいります。
そして、そのことをどうか安心して受け止めていただきたいと思います。
国におきましても、先般の「骨太の方針」において、目安を超える最低賃金引き上げと、それに対応する中小企業支援の方針というものを示しておりまして、山梨県としても国とも緊密に連携をして、積極的に企業支援に取り組んでまいります。
併せまして、働き手の皆様にもお伝えしたいと思います。
そもそも賃上げは本質的には一方的に与えられるものではなく、自らの努力によって獲得していくものでございます。
そして、そのために県が推進いたします「スリーアップの好循環」への積極的なご参画など、是非ともご自身の職業能力を高め、職場の収益向上に努めていただきたいと思います。
山梨県は、働き手の皆様のそのご努力を全力で支援し、企業経営と働き手の皆様が協働しながら、持続的な成長と安定した生活基盤を確立できるように、政策を集中して展開してまいります。
賃上げは、一方的に求め、あるいは求められるものではなく、企業経営と働き手、そして、県が歩調を合わせ、一丸となってともに取り組むべき課題であります。
最低賃金は、もはや単なる下限の保障ではなく、働き手の生活を向上させ、若者の意欲を喚起し、そして、地域の持続的発展を促進する、山梨発展に寄与するための戦略的指標と、このように捉え直すべきであると考えます。
最低賃金の上昇を経営の圧迫要因と受け止めるのではなく、事業伸長の契機に転換していただくことで、山梨にあっては、新しい地域発展を推し進める推進力にしたいと考えております。
くどいようですが、重ねて申し上げます。
賃金の引き上げは、働き手だけでも、そして企業経営だけでも、県だけでも実現できるものではありません。
だからこそ、企業経営、働き手、そして県が「オール山梨」として一体となり、それぞれが役割を果たしながら、歩調を合わせて取り組むことが不可欠であります。
そして、その協働の中でこそ、持続的な賃上げと地域経済の好循環を実現し、本県の未来を切り開くことができると考える次第であります。
本県の最低賃金の決定に当たりましては、是非とも今回の要請の趣旨を勘案していただきたいと思います。
特に、決定に至った考え方につきましては、広く県民の皆様、働き手の皆様に対しまして、丁寧に説明責任を果たしていただくことを、労働局に対しては求めてまいりたいと思います。
併せまして、最低賃金の水準の引き上げに当たりまして、より高い水準の引き上げに向けて、何がしかボトルネックになっているような要素があるのであれば、私ども山梨県としては、それを解消していくべく、積極的に率先して対策を講じてまいりたいと考えております。
このため、山梨県としては、労働局に対して、我々に対しても詳細にデータとともに説明していただきたいと考えております。
この旨を本日、労働局長には書面を持ってお伝えしたところであります。
くどいようでありますが、改めて申し上げたいと思います。
隣県との格差、物価高騰、そして、県民の将来展望を見据え、私どもは大変強い危機感と決意を持って今回の要請を行ったところであります。
最低賃金の議論は、若者の未来、企業経営の持続性、働き手の生活の安定、そして、山梨県の持続可能性を左右する重大な課題であり、今、まさにその岐路に立っていると、このように認識をしております。
であるがゆえに、企業経営、働き手、そして県が「オール山梨」として力を結集し、この挑戦に立ち向かい、そして、本県の未来をともに切り開いていきたいと考える次第であります。
記者
最低賃金の要請に関してお伺いをしたいのですけれども、要請の中にも東京圏というような形の文言が入っている中で、東京圏・首都圏と長野・静岡といった部分で1,000円台だったり、1,100円だったりとちょっとそこで差があるかなと思います。
その辺り踏まえて知事としての山梨県の最低賃金の適切な水準についてのお考えを、なかなか具体的な金額は難しいかもしれないですけれども。
知事
具体的な金額については、これから議論が審議会の中で行われると承知をしておりますので、私から申し上げることは差し控えたいと思いますが、ただ大きな差があると認識しております。
この差、特に県境の町などに話をいただきますと、やはりより高い賃金を求めて、若い人がどんどん流出しているということは、よく耳にされることであろうと思います。
最低賃金はまず全体のその賃金の一つの重要な指標となってまいりますので、我々としては山梨県内で、安心して働いて生活を成り立たせるような、こういう水準になっていただくことを期待したいと思っています。
また、もう一つ具体的な水準もさることながら、やはり県全体でそれは働く人だけではなくて、企業経営も、それから行政も、この賃上げをしていくのだと、そのために必要な取り組みを行っていくのだと、こういう意思表示を、ある意味社会的なコンセンサスとして表示することが重要なことじゃないかなと私は思っています。
そういう意味で、これから企業経営サイドとも、しっかり話し、我々としてその企業が賃上げ原資を確保するために必要な生産性の向上をどうやっていくのだということを一緒になって考えて、しっかりとサポートしていきたいと考えます。
記者
今日の最低賃金のことでお伺いしたいのですが、労働局というのは、典型的な一つの官僚機構の一端ですから、そこに期待される従来の役割というのも、それは答申内容を尊重して、それを粛々と実施するということだと思うのですが、一方で、その結果が、今の最低賃金の現状を招いているということも一方で言えなくもないと思います。
ただし、現状の機構の中で、どれだけのことを労働局に期待できるのかというあたりで、事務局として、審議会の議論に何らかの影響力を、あまり良い言葉ではないかもしれませんけれども、発揮して答申の内容をできるだけ高い水準に持っていくというようなことを期待なさっているのか。
もしくは、答申内容を越えて、最終的な決定権者は、形式的ではあるかもしれませんけれど労働局長なので、労働局長により高い水準の決定まで求めたいというところまでのお気持ちがあるのかその辺りいかがでしょうか。
知事
形式的か実質的は別として、最終のハンコは労働局長が押されるということなので、本日は労働局長に要請を行ったところです。
今おっしゃるように審議会との関係をどうするかは労働局が考えていただければいいのですが、ただ私達から申し上げたいのは、最終決裁権者は労働局長であり、またそこに対して答申を出す審議会の事務局である労働局、それからもちろんその審議会のメンバーの皆さんそれぞれに対しても、もちろん議論されてると思いますが、しっかり真剣に議論をしていただきたいと思います。
特に今年、これだけの物価上昇がある中で、その最低賃金の水準について、しっかり根拠を持った議論を私達は求めていきたいと思います。
これはまさに若い人たちの生活あるいは将来展望がかかる、極めて重要な問題であるということは、改めて再確認・再認識をしていただきたいと強く求めたいと思います。
そうした上で、ぜひ真剣な議論を交わしていただきたい。
ファクトに基づく議論を交わしていただきたい。
その上で決定していただきたいと思います。
そうした中で、山梨県の水準は具体的にどこになるかは先ほど申し上げたとおり控えますが、我々としてはより高い水準を常に求めていきたいと思います。
これも繰り返しになりますが、当然、企業経営に大きな影響が及ぶわけですので、先ほど申し上げましたように、働き手と企業経営とそれから県のこの3者が、一体となって今後、山梨県の賃金水準をどうやって上げていくのだと。
今後、最低賃金の議論はこれから始まるわけですが、そこから先も見据えて、しっかりと我々は議論していきたいと思うので、今回の結果についてはなぜこういう結果になったのだと。
それは数値を基に、詳細の説明を私達はいただきたいと思っています。
その説明をもとに、これから先の更なる施策というものを組み立てていく。そういう意味で、ぜひともそのデータと根拠はぜひ共有をしていただいて、何をどういうふうにすればしっかりとした賃上げを実現できるのか。
これを、働き手・企業経営サイド、そして、私ども一体となって考えて、次の施策に組み組み立てていく。
このような取り組みを行っていきたいと思いますので、ぜひ、今後そういうことをしっかり私達は求めてまいりますので、ぜひそのことも踏まえて、根拠のあるしっかりとした議論を、改めてしていただくように、労働局、審議会の委員の先生方も含め、全ての関係者に期待をし、また求めてまいりたいと考える次第であります。
記者
それから最低賃金について、戦略的指標みたいなものに再定義していくというようなことをおっしゃいましたけど、そうなってくると、やはり決め方そのものも今のままではなく、より地方自治体がコミットするような形の決め方が必要になってくるという見方も成り立つのではないかと思いますが、どうでしょうか。
知事
最低賃金の決定自体については、県がどう関わるかというのはまた別で、必ずしも直結はしないと思っています。
ただ、ブラックボックスの中で山梨県の若者の未来が決まるようなことはぜひ避けていただきたい。
しっかりとした透明性のある議論を構築していただきたい。
私達が求めるのはまずその点です。
その透明性の中で、何がボトルネックになるのか、どういう点を改善すればより高く賃金を上げることができるのか、この情報を私達はいただいて、上げられるような環境整備に全力を尽くす。
これがこの戦略的手法における県の向き合い方ではないかと考えます。
記者
最低賃金のことですけども格差是正を求める、より高い水準を求めるということですので、少なくとも目安を上回る最賃の上げというのを知事は求めていると捉えて間違いないでしょうか。
知事
目安以上です。
記者
最低賃金が若者の移動、県外流出に関係しているというお話がありましたけれども、それについて詳しく具体的にどういう影響が起きているのかというところがわかれば教えていただきたいのと、山梨県内で、最低賃金近辺で働いている労働者というのはどれぐらいの規模なのかというところを教えていただければと思います。
課長
まず、若者の影響というところは、中央の審議会で目安が示された際の説明資料に、どのような年齢階級のところに最低賃金の影響が大きく反映するかというデータがございまして、その中で正規非正規を問わず、若者への影響が突出して多いというデータが示されております。
そちらを引用して言及しております。
知事
後で資料共有させます。
なお、共有できる資料は全部共有させていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、この手の情報に関して、大変残念なことに労働局からは十分な資料が共有されていない状態であります。
であるがゆえに、先ほど申し上げましたように、今後、この問題というのは、もう若い人の生活に直結する話ですので、透明性を持った議論というのを期待するわけですし、透明性の中身は、ぜひその根拠となった情報のデータの共有、公表共有、こういうものを我々は労働局に対して求めるということだと思います。
※ 県内における最低賃金付近の労働者数及び若年層への影響について、同日、報道機関あてに回答。
記者
あともう一点、企業に対する生産性向上の支援策ですけれども、9月の議会で、補正で対応されていくということですけども、今時点で何かこういうことを必ずやっていくということで具体的なところで施策として決まっているものがあれば。
知事
特に、中でいろいろ議論もしていますけれども、まず当面即効性がありうるのは省エネ補助金。
これは多くの企業の皆さんからリクエストがあって予算の都合上なかなか応え切れてはいないのですけれども、今申し上げたように、今度の議会でこういうところも大幅に拡充していきたいと思いますし、また、併せて、今、スリーアップの認証制度というものを始めようとしていますけれども、こういうものへの取り組みもぜひ進めていっていただくべく、今後、様々な県による支援も、こういうスリーアップの認証をとったところに、例えば、集中させていくとか、このような運用というのも一つ視野に入れながら、働き手と企業と、そして、我々が、本当に一丸となれる体制作りに向けた施策も大変重視しながら取り組みを進めていきたいと思います。
9月議会で予算をお諮りして、議決をいただいて、速やかに実行したいと思います。
知事
次に、農業生産に関する成果につきまして、3点ご報告したいと思います。
初めに、令和6年の農業生産額および水産業生産額の実績についてであります。
令和6年の農業生産額は、1,239億8,000万円、対前年比106.2%となりまして、33年ぶりに1,200億円を突破したところであります。
このうち、果実の生産額は、769億8,200万円、対前年比108.2%となり、これは調査を開始いたしました昭和29年以降過去最高額です。
水産業生産額につきましては16億1,100万円、対前年比117.9%に増加したところであります。
異常気象ですとか、あるいは資材価格高騰など大変厳しい状況下ではありましたが、本県の農産物が市場から高い評価をいただいていることは、これはまさに生産者の皆様のご努力の賜物であります。
この場をお借りいたしまして改めて感謝を申し上げたいと思います。
次に、令和6年の県産果実の輸出実績についてです。
令和6年輸出額ですが、23億6,900万円、対前年比119.7%。
輸出量に関しましては1,247t、対前年比104.8%となりまして、額そして量ともに輸出に関しては過去最高になりました。
桃の輸出量は生産量の減少に伴いまして、対前年比96.8%とはなりましたが、高品質な山梨県産への需要の高まりにより単価が上昇いたしました。
この結果、輸出額は、対前年比111.0%に上昇したところであります。
ブドウにつきましては、シャインマスカットの生産量の増加によりまして、輸出量では、対前年比124.7%、輸出額では対前年比131.6%に増加いたしました。
引き続き、JAをはじめ、関係団体の皆様と力を合わせて、本県産フルーツのブランド価値の向上と、生産・流通・販売の三位一体の高度化を進め、新たなマーケットの開拓にも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
最後に、昨年度の新規就農者数についてです。
令和6年度の新規就農者数は、341名となりました。
9年連続で300人以上を確保し、これは過去最高となりました前年度と同等の成果を上げたところであります。
特に、40代以下の人たちが約7割を占めるなど、次の世代を担う人材が着実に根づきつつあることは、大変心強く感じているところであります。
今後も、大変高い志を持って山梨県の門戸を叩いていただきました新規就農者が確実に定着できるように、基盤整備によります生産条件の良い農地の提供など、きめ細やかな支援を行ってまいりたいと考えております。
農業については以上でございます。
記者
農業生産の関係で担い手も300人以上が9年連続という形ですけれども、新しく入ってもらう方や、今農業をやられている方も大規模化が重要だと思うのですけれども、今やられてる方も階層に応じたフォローも必要かなと思いますけれどもそのあたり、農業の担い手というものをしっかりと維持していくために、必要なことの知事のお考えをお伺いできれば。
知事
まさに今、農業に取り組んでおられる方に、しっかりと生産に取り組んでいただけるように、一番重要なことは何といってもその農地とか、農業生産に必要な施設、そういうものが必要だと思います。特に農地に関しては、農地ガチャなんて言われないように希望される方が本旨を遂げられるように、しっかりとした生産条件が良い農地を最大限の努力で確保していきたいと思います。
もちろん、若干時間かかりますけれども、これまでも国とも力を合わせながら、圃場整備をして、条件の良い農地を新たにしっかり生み出して、それを新規就農される方々に使っていただけるように、こういうことを中心に取り組みを進めていきたいと思っています。
記者
果物の輸出についてお尋ねしたいのですが、輸出で香港と台湾が90%以上ということなのですが、他国への拡大についての知事のお考えと、今後の取り組みとは何か考えありましたらお話しいただけたらと思います。
知事
輸出先を多様化させることは極めて重要な課題だと思っています。
香港、台湾のある意味2本足打法と言うのですかね、それは、今はいいにしても、やはり我々として輸出先は分散させたい。
そういう意味で、ベトナムに対する取り組みというものは、ここ数年来ずっと国と力を合わせながら、取り組んできています。
先般、石破総理がベトナムに行かれたときも、ブドウの輸出の進展を話題に取り上げていただいたというふうに承知をしております。
一刻も早く、こればかりは国同士の交渉になるものですから、早く妥結をしていただいて、山梨県産のブドウをしっかりベトナムの皆様に食べていただきたいと思います。
ベトナムは、ブドウの大きな消費国でありますので、我々としては有望なマーケットとしての1丁目1番地はまずそこ。
そこに限りませんが、この他、輸出先の多角化というものを、進めていきたいと考えています。
知事
メール送信ミスなどによる個人情報漏洩の防止に向けた対策についてお伝えしたいと思います。
今般、県の業務委託先の事業者が、関係者に対してメールを送信する際、誤ってCC欄にメールアドレスを入力したことにより、全ての関係者が互いに閲覧可能な状況となっていたことが判明したところであります。
本件事案の具体的な内容はお手元に配付した資料のとおりであります。
今回は、委託先事業者が引き起こした話とはいえ、個人情報の漏洩というのは、本県行政への信頼を損ねる大変重大な問題であると受け止めております。
個人情報の保護に関しましては、これまで度重なる注意喚起を県庁内外で行ってきたにも関わらず、こういった事案が繰り返されている現状に対しましては、大変強い危機感を抱く次第であります。
山梨県といたしましては、こうした状況を厳粛に受け止め、今後重大な個人情報の漏洩事案に関しまして、県庁の中と、そして外も含めまして、事前・事後の対策を抜本的に強化拡充したいと考えております。
現在その内容を検討しておりますが、まとまり次第、早急に公表した上で実行に移してまいりたいと思います。
記者
富士山の夏山シーズン中ではあるのですけれども、今年はゲートを閉める時間だとか通行料などを去年と改正した部分もあるかと思います。
まだシーズン中ですけれども、これまでの知事の評価を教えてください。
知事
私のところには大きなトラブルがあったとか、そういう話は届いておりません。
どこかのメディアのアンケート調査だったと思いますが、多くの方にこの入山コントロールに関してはご理解いただいているということなので、今後も、基本的には入山コントロールの枠組みは維持していきたいと思います。
またシーズンが終わったところでレンジャーの皆さんも含めて、多く声をいただいて、より何がしか改善するべきところがあれば、しっかり改善し、多くの皆さんが安全な登山ができるように、さらに意を尽くしていきたいと思います。