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ページID:94616更新日:2020年4月24日
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防災新館401,402会議室 11時45分から
発表事項 発表事項以外の質疑応答 |
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知事
新型コロナウイルス感染症に関してですが、ウイルス感染への不安を抱えつつ、大切な命を宿しながら、日々、職場に向かう女性の働く方々から、おなかの子どもを守るため、できる限り休業したいとの切実な声が聞かれるところであります。
こうした声を踏まえまして、4月臨時県議会におきまして、新たに妊娠中の女性の休暇取得を促進するための助成制度の創設を提案することとしました。
これらの制度は、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない今、少しでも妊婦の皆様の不安を取り除き、元気な赤ちゃんを出産していただくことを念頭に置いたものであります。
企業の皆様には、妊娠中の女性労働者が休暇を取りやすい職場環境の創出と、テレワークや時差出勤の積極的な活用の促進に対しまして、是非とも御配慮を賜りますようお願い申し上げます。
また、学校の休業が続く中、子どもたちは、目に見えない病気への不安を抱え、これまでにない非日常にさらされて、大変大きなストレスを抱え始めているとの指摘がございます。
そこで、専門医からリレーメッセージの形で、子どものストレス反応や対処方法などを情報発信していただくことと致しましたので、是非、御活用いただきたいと思います。
局長
詳細について説明させていただきます。
まず第1に、妊娠中の女性の不安への対応でございます。
新型コロナウイルス感染症が妊娠中の女性に及ぼす影響につきましては、症状の経過や重症度は、妊娠していない女性と変わらないとされている一方で、一般的に、妊婦が肺炎にかかった場合、妊娠していないときと比べ重症化する可能性があると言われておりまして、妊娠中の女性、労働者から小中学校の子供を守るためにできる限り休業したいという声が聞かれているところでございます。
こうした声を踏まえまして、4月臨時県議会におきまして、新たに妊娠中の女性の休暇取得を促進するための支援制度に要する経費を計上させていただきました。
また、新型コロナウイルス感染症が拡大し、妊娠中の女性の精神的な負担や不安も指摘されております。
このため妊産婦の支援の拠点であります産前産後ケアセンターにおきまして、妊婦の電話相談を行うとともに、よりケアが必要と判断された妊婦には、無料で宿泊してケアを受けていただけるよう、新たな助成制度に要する経費も計上させていただいております。
休暇取得促進のための助成金につきましては、議会の議決をいただければ、明日以降の休暇取得を助成対象にしたいと考えております。
企業の皆様には、妊娠中の女性労働者が休暇を取りやすい職場環境の創出と、テレワークや時差出勤の積極的な活用の促進へのご配慮をいただきますよう、お願い致します。
第2に子供たちの不安の解消に向けた対応についてでございます。
学校の休業が続く中で、子供たちは大きなストレスを抱え始めているという指摘がされております。
また、ストレスを抱えているのは、子供だけではなく、子供と一緒に暮らす保護者の方々も同様でございますので、虐待等のリスクもあることが懸念されております。
こうした状況を踏まえまして、子供の心の問題について専門的な支援を行いますこころの発達総合支援センターから、子供のストレス反応や対処方法、子供や保護者のメンタルヘルスなどの情報につきまして、専門医からリレーメッセージの形で情報発信をしていくことと致しました。
このホームページでは、ストレス反応に気づいた時の相談先としまして、メンタルヘルスに関する相談窓口や、児童虐待の相談窓口もご案内するとともに、子供や保護者のストレスへの対処に当たり、参考となるサイトも紹介しておりますので、ぜひご活用をいただきたいと思います。
この子供の不安解消に向けたホームページにつきましては、後ほど、具体的な内容について資料配布をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
記者
妊婦の休業助成について1日当たり4000円とありますが、ご本人が申請するのでしょうか。
局長
その通りです。
記者
1人あたり20日が上限とありますが、20日とした理由を教えてください。
局長
明日から6月30日までを想定しており、その約半分の20日間を予定しています。
記者
なぜ6月30日までを想定しているのでしょうか。
局長
現在、学校休業等に伴って行っている、子育て世帯休業助成金制度の適用期間が6月30日までですので、それに合わせて6月30日にしております。
知事
新型コロナウイルスの感染拡大による果実の輸出の減少、観光農園等への来客者の減少、首都圏の高級百貨店等における営業自粛などの影響を受け、今後、本格的な収穫・出荷を迎える農家の皆様の経営への影響拡大が懸念されているところです。
このような中、農家が事業を継続できるよう、先手対応、事前主義のもと、3つの支援策を速やかに実施することと致しました。
1点目は、東京、大阪、愛知の各県人会の皆様に、県産果実の購入等のご協力をお願いし、苦戦している果物等の販売促進を支援するものであります。
2点目は、現在、県内外のいわゆる買い物難民の皆様に対して、新鮮な県産野菜の宅配の試行を検討するよう指示しており、準備が整い次第実施して参りたいと考えております。
3点目は、新型コロナウイルスの影響で売上が減少するなど、不安を感じている農業者の皆様の相談にあたる「ふんばろう!やまなし農業者相談窓口」の開設についてであります。
今後も、来たるべき克服の日に向けまして、総力を結集して、迅速に対応して参りたいと考えております。
部長
「ふんばろう!やまなし」農業支援策の実施につきまして、詳細を私の方から説明をいたします。
まず1点目は、東京、大阪、愛知の各県人会の皆様に対する、県産果実購入等の協力をお願いするものでございます。
これは、ハウスものを中心としまして、さくらんぼ、ブドウ、桃といったものが、高級百貨店など色々なところで、贈答用として使われていますが、なかなか需要が振るわず苦戦をしている状況にあります。
そうした果物をはじめとする販売促進を、県人会の皆様のネットワークを使いながら、お願いをして支援していくというものでございます。
2点目は、県内外のいわゆる「買い物難民」、コロナウイルスの感染拡大の影響で、買い物に行くことに対して非常に抵抗を感じていらっしゃる方々、特に高齢者や子育て中などで買い物に行けない方々に対して、新鮮な県産野菜の宅配を試行的に実施していこうということで、現在、生産者と調整をしております。
具体的には、早ければ来週早々にも注文を開始し、発送していく予定です。
発送品目としましては、葉物野菜、トマト、きゅうり、米など、野菜を中心に予定しておりまして、当面の間、配送料については、県が負担することとしています。
3点目につきましては、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少するなど、不安を感じている農業者の皆様の相談にあたる「ふんばろう!やまなし」農業者相談窓口の開設についてでございます。
この相談窓口は、農業者の皆様に、最も身近な県の出先の4地域の農務事務所と、8ヶ所ありますJA等に設置し、本日から相談業務を開始致します。
相談の具体的な例と致しましては、資金繰りや運転資金の調達、制度資金の利用に係る相談、また、今後の栽培作目の選定、そして持続化給付金というものがございます。
経済産業省の給付金ですが、その申請支援を含め幅広い相談に、農務事務所や、JAのベテラン職員が、きめ細やかに、取りこぼしのないよう、必要な人に必要なお金が届くように対応していくというものです。
対象となるすべての農業者の皆様に、しっかり支給されますように、パソコンで申請するよう言われても非常に難しいという現状もありますので、そういったところにもわかりやすく、具体的な方法や対象などを説明し、プッシュ型で強力に支援していくというものです。
以上3点でございます。
記者
県人会に購入を依頼するということですが、どれぐらいの売り上げが見込めるとお考えなのでしょうか。また、今高級な物が売れなくなっているということは私も認識していますが、その落ち幅はどれぐらいなのか、お伺いできますか。
部長
依頼を行う県人会は、東京、大阪、愛知でございますが、構成員といたしまして、東京県人会が約400人、大阪県人会が約200人、愛知県人会が約100人ということで、合わせて約700人に対して協力を要請します。
また、会員の皆様は多くの人脈をお持ちですので、どんどん波及していくものと期待しています。
価格の動向でございますが、今回の対象ではないのですが、花きについては、すでに卒業式、入学式といった大きなイベントが軒並み中止ということで、販売単価、取扱数量ともに減少しています。観光いちご農園の関係も、1月から4月がピークで、それもかなり大きく減少しています。
今回の県人会の応援要請の対象となる施設果実は、ハウスさくらんぼは4月13日から出荷、ブドウと桃は4月19日から出荷されておりますが、今の状況では、初出荷の価格が前年の2割から3割ぐらい安いという状況です。初出荷の価格は、ご祝儀相場的な要素もあり高いので、そこからまた更に一段安くなることが懸念されている状況です。
知事
東京の県人会の皆さんは、大変有力な方が多くいらっしゃいます。以前アイメッセで催しをしましたが、周りの皆さんにお声がけをしてくださる方が大変多くいらっしゃいまして、そういう方々に是非今回も協力をお願いしまして、例えば首都圏であれば120万人の山梨県出身者がいらっしゃいますので、そういった方に1人でも多くお声がけをしていただいて、ふるさとの農業のこの窮状を救うべく応援をしていただきたいと思っております。
知事
令和2年4月臨時県議会の招集につきましてご説明を申し上げます。4月臨時県議会は、4月28日に招集することと致しまして、本日招集告示を行ったところであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、国が緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、本県におきましても、4月以降、急激に感染者数が増加している状況であり、徹底的な感染防止対策と、強固な医療提供体制の整備を行うことは、急務であります。
こうした中、国におきましては、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を策定したところであり、取り込めるものは最大限取り込み、スピードとボリュームが両立し、かつ本県における地域の実情に即した対策を最優先で立案、実行して参ります。
このため、6月の定例県議会を待たず、感染拡大の防止と、医療提供体制の強化、県内経済、県民生活への影響の最小化に向けまして、早急に取り組むべき対策に要する予算の議決をいただくため、臨時議会を招集することと致しました。
今回の臨時議会でご審議をお願いする補正予算の柱は三つございます。
感染拡大防止と医療提供体制の整備、次に、県民生活に与える影響を最小化するための対応、そして、県内経済の安定化に向けた緊急対策、この三本柱であります。
主な内容をご説明申し上げます。
一つ目の柱の感染拡大防止と医療提供体制の整備につきましては、一般会計総額で32億8000万円余を計上しております。
これによりまして、マスクなどの必要な医療資材の確保や遠隔診療を導入し、医療関係者のみならず、重症化リスクの高い高齢者への感染を防止いたします。
あわせて、感染症患者を受け入れる十分な病床数を確保すると同時に、PCR検査能力の抜本的拡充によりまして、早期発見、早期治療を実現していきたいと思います。
具体的には、まず感染拡大防止に必要なマスク、防護服、消毒液等につきましては、県として7月上旬までに、特にマスクに関しまして総計1000万枚を医療機関や社会福祉施設等に計画的に配布致します。
併せて、先般発表させていただきました、障害者の就労支援と連携をいたしまして、布製マスクを生産する体制の構築に取り組み、こちらは県内の児童生徒に配布をして参ります。
また、遠隔診療についてでありますが、医療機関には経済的な負担はなく、遠隔診療システムを導入できるようにして参ります。
これによりまして、医療従事者の診療所の感染リスク回避と患者の院内感染リスク、あるいは外出時の感染リスクを防止するように取り組んで参ります。
次に、医療提供体制の整備についてであります。
まず、PCR検査でありますが、こちらにつきましては、山梨大学医学部附属病院にご協力をいただき、また、県の医師会にもお力添えをいただくことになりますが、新たにドライブスルー方式の検査を導入することにより、検査能力を現行の約2倍に引き上げます。
これによりまして、先ほど申し上げました、早期発見、早期治療に結びつけ、患者の負担軽減を図るとともに、医療崩壊を阻止致します。
次に病床数の確保についてでありますが、入院の必要のある患者の受け入れに必要な病床、約400を確保致します。
このために必要となる患者を受け入れていただく、地域の基幹病院に対しまして、特別給付金を交付致します。
また、入院治療の必要はない患者さんを受け入れるために、宿泊施設の借り上げを行います。
これによりまして、感染患者の受け入れ病院の負担軽減を図り、山梨県の医療システム全体としての患者数の受け入れ能力の増強、さらには重症化した患者に対し、よりさらに適切な医療が提供できるようにして参ります。
なお、この借り上げでありますが、感染拡大のスピードが加速化している現状にかんがみまして、早急に対応する必要があるため、今週日曜日の4月26日より、北杜市にありますホテル若神楼様のご協力のもと、軽症者を受け入れることとしたところでありまして、今後も状況に応じて対象施設を順次拡大できるよう体制を整えて参ります。
加えて、感染症患者の受け入れを行う医療機関で働く医療従事者の皆様は、感染リスクの高い環境で、昼夜を問わず対応に追われており、大変な負荷がかかっていると承知をしております。
まずは、県民を代表致しまして、この場をお借りして、医療従事者の皆様に対して、心からの感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。
こうした現場の最前線で、県民の皆様の命を守るために活躍されている医療従事者の方々に対しまして、新たに応援金を支給するとともに、院外での休息を促し、肉体的、精神的な負担軽減を図っていただくために、宿泊費を助成して参りたいと考えます。
二つ目の柱である県民生活に与える影響を最小化するための対応であります。
まずは、県立学校や県立大学におきます、遠隔教育をゴールデンウィーク明け、早期に実施をしていくために、必要な機器整備等を行い、生徒等の皆様の学習の機会を可及的に確保して参ります。
また、介護保険施設で職員の感染が発生した場合であっても、施設サービスをしっかりと継続していくために、山梨県老人福祉施設協議会、山梨県老人保健施設協議会の皆様と連携をし、他の介護保険施設などから応援職員を相互に派遣する体制を構築して参ります。
次に、これは先ほど申し上げたところでありますが、肺炎になると重症しやすいと言われる妊婦の皆様の、休業に伴う収入減の一部を補填する制度を創設し、休業取得を促して参りますとともに、感染拡大に不安を感じる妊婦の皆様が、産前産後ケアセンターの宿泊ケアを無料で利用することができるように、所要の経費を計上致します。
三つ目の柱であります、県内経済の安定化に向けた緊急対策であります。
まずは、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、人手が山梨県におきましても、急激に減少しています。また、国全体としても、感染拡大を早期に終わらせるために、8割の人と人との接触を削減する取り組みが、国を挙げて進んでいるところでありますが、これに伴い、売り上げの減少に苦しんでいるすべての事業者の皆様に対しまして、最速、最短で持続化給付金など、国の様々な支援策を届けることが、私は何よりも重要であると考えております。
こうした観点から、国の補正予算成立後、速やかに持続化給付金の交付が予定されていることから、県内の事業者の皆様がもれなく受給できるように、県内各地の商工会等などに中小企業診断士などの専門家を配置し、中小事業者の皆様の事業継続を強力にサポートして参ります。
申請につきましては、単に待っているだけではなく、対象者すべての皆さんがもれなく受給できるように、国の制度をすべての対象者の皆様に私どもの方からご案内をし、強力に手続きの進行をお支えし支援する、いわゆるプッシュ型の積極策として展開をして参ります。
これに伴いまして必要な人員増強、マンパワーの確保に対しましても、今回の補正予算でしっかりと手当をしているところであります。
なお、本日、この持続化給付金に関します県の相談窓口、及び専用ダイヤルを設置致しました。
支援を必要とされている方が、速やかに給付を受けられるよう、県を挙げて全力で取り組んで参ります。
また、中小事業者の皆様の資金繰り支援につきましては、規模、内容ともにリーマンショック時をはるかに上回る、400億円という規模、過去最大の融資枠で、新型コロナウイルス感染症対策融資制度を創設致します。
この融資は、国の利子補給や保証料補助に加えまして、県単独でも保証料を補助し、対象となるすべての皆様が、保証料の負担なしで融資を受けられる制度とし、県内経済を支える中小事業者の皆様を強力に支援して参ります。
前年同月比の売り上げ減ですが、現在の体系でいきますと、まずこの国の持続化給付金は、早ければおそらく今月中に国会で審議をされ、通過した後、極めて早いタイミングで申請受付が始まり、未確認ですが、早ければ連休明けに実際の給付が始まるようであります。
まずは、売上減に対しまして、持続化給付金の対象者であるすべての皆様に、速やかに利用していただくことが、何よりも迅速な県内の中小事業者向けの支援になると思います。持続化給付金が6月中には対象者すべてに手が届くように、この制度のご案内をし、給付を受けていただけるように取り組んで参りたいと思います。
そして、ここに至らないまでも影響を受けていらっしゃる皆さんも大変大勢いらっしゃいます。
売上が15%減少している事業者の皆様に対しましては、先ほど申し上げました県の新たな融資制度3000万円の融資枠を設定しております。この融資に対しましては、無担保の中でさらに保証料を全額補助いたします。保証料はかかりません。
かつ、向こう3年間利子補給もいたしますので、無利息になっております。こうした中で、資金を回していただきたいと考えています。
そして、5%売上が落ちている事業者の皆様に対しても、保証料を全額公費で負担することと致しまして、新たな融資制度をご活用いただければと考えております。
この他に、この融資に加えまして、現在働かれている方の給与に関しまして、雇用調整助成金の取得の支援を致します。
今まで、何回も窓口に行かなければならないなど、事業者の皆様も苦労されている方もいらっしゃいますが、そのような方々に対しまして、雇用調整助成金の取得がより速やかに簡便迅速になるように、こちらに関しましても、申請のお手伝いをする体制を併せて整えていきたいと考えているところであります。
今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症の現状にかんがみまして、まずは感染拡大の防止と医療提供体制の強化、そして中小事業者の皆様の事業継続に重点的に取り組むため、国の制度のみならず、県単独の支援策も盛り込み、現時点で考えられるあらゆる施策を反映した予算となっております。
加えまして、今後の不測の事態や、情勢の変化に機動的に対応できるようにするために、新型コロナウイルス感染症対策のための予備費を5億円計上することと致しました。
今後も引き続き、国の緊急経済対策関連の補正予算を最大限活用しながら、県民の皆様の健康と生活を守るとともに、事態収束後の反転攻勢を見据え、回復の先の跳躍に向けて、議会の皆様とともに、全県、全庁一丸となって、オール山梨で、あらゆる施策の立案、実行に全力を尽くして参ります。
記者
軽症者のホテル療養について、北杜市の若神楼さんはおそらく40室しかないと思いますが何人入れるのでしょうか。
補佐官
若神楼さんにつきましては21室を予定しておりますが、例えば夫婦で同室というケースも考えられますし、今後、タイプが違う部屋についてはまだ設定をしておりませんので、部屋数の増についても想定をしております。
記者
他県で行っているように看護師さんと県職員が常駐して、お医者さんについてはオンコールで待機している人が呼べば来るという状況になっているということでよろしいでしょうか。
補佐官
はい。PCR検査につきましても、医師が対応致します。
記者
食事については、旅館で作るのではなくて、お弁当を配布するということでしょうか。
補佐官
お弁当を用意して食べていただく予定となっています。
記者
お弁当を部屋の前に持っていき、食べてもらうのでしょうか。
補佐官
所定の場所に持っていき、入所者の方が取りに来て、また戻す形になります。
記者
それ以外は部屋を出ないということでしょうか。
補佐官
その通りです。
記者
予算についてお伺いしますが、これは給付型の休業補償は行わないということなのでしょうか。
知事
現在多くの事業者の皆様が苦しんでおり、この多くの事業者の皆様に対して、一刻も早いタイミングでしっかりまとまった額をお届けすることに関しましては、国の持続化給付金を活用することが、ベストな方策であると考えております。
したがいまして、まずはこのベストな方策に全力を投入して、1日、もっと言えば1時間でも早く、山梨県の苦しんでおられる事業者の皆様が、この持続化給付金を手にしていただけるように全力を尽くす、これが山梨県の考え方です。
記者
休業要請を行ったほとんどの都道府県については、休業補償とセットで行っていると思うのですが、その辺ご自身の政治判断としていかがお考えでしょうか。
知事
財政的な余力があれば、それは考えたいと思っております。しかしながら、例えば東京や大阪府とは違い、山梨県の財政余力は極めて小さいものになっております。その中で、まずは県民の皆様の命を守るための医療提供体制の整備を何よりも優先させたいと思います。そのためにかかる費用は先ほど申し上げました通り、30数億かかるわけであります。
国からの1兆円の交付金を活用すべきだと、こういうご議論もありますが、私たちにおそらくおりてくるであろう、1兆円の交付金の具体的な配分額というものは、おそらく30億円を下回るであろうと思っております。
したがって、この給付金は、ほとんどすべてを医療に充当します。他県におきましてはこの給付金の約7割を休業補償に充てるというところもありますが、何が一番重要かというと県民の皆様の命であって、この命を守るための予算措置というものに最大限を尽くしていきたいということが私たちの考えです。
記者
財政余力についてはもちろん承知するところではあるのですが、一方で、休業補償しない、できないのであれば、休業要請をしないという考え方もあったと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。
知事
財政余力の乏しいところは、休業要請ができないという考えはいかがなものかと思います。財政余力がないから休業要請をしないという考え方は、私は取るべきではないと考えます。繰り返しになりますが、県民の皆様の命を守るための体制をしっかりと構築することが、私にとりましては、一番重要なことだと位置付けております。本来ならば休業要請はしたくありません。したくないけれどもせざるをえない状況が、私たちの置かれている山梨県の状況だと思います。特定警戒都道府県に隣接している本県におきまして、東京あるいは千葉、埼玉で起こっていることは、決して他人事ではありません。他人事ではない状況の中で、私は何としてもこの山梨県ではそういう事態を起こしたくないと考えています。今朝も軽症者の方が自宅待機を命じられて、その結果発症して痛ましいことにお亡くなりになったというケースもあります。私は、少なくとも山梨県ではそのような犠牲者は1人も出したくありません。そのために、苦渋の判断ではありますが、他県と同じように休業補償を行いたいところではありますが、我々は、まずはその医療体制の整備にお金を使わせていただきたい、そのような考えであります。
記者
他の都道府県も相当財政が苦しい状況の中で、医療体制の確保と、県民の生活、経済をどのように守るのかというのを両立させて施策を行っているところだと思うのですが、その中で、この県では補償があって、この県では補償を行っていないという部分について、格差が出てしまうことについてどのようにお考えでしょうか。
知事
この格差の是正はぜひ国にしていただきたいと私は思います。繰り返しになりますが、山梨県の財政調整基金は、4月現在で100億円を切っている状況であります。これに対して東京都は約8000億円、大阪府も大変先進的な取り組みをされておりますが、大阪府も1500億円の財政調整基金をお持ちです。これに数百億使ってもまだ1000億も残っている。この1000億があるがゆえに、先々来るであろう第2波、第3波に対する準備を行えるというご判断ではないかと私は考えます。
この山梨県におきまして財政調整基金は100億しかなく、今回予算を提案いたしましたが、この予算で使っている医療費は30数億ありますが、これはわずか3ヶ月分しか持ちません。3ヶ月分ですらこれだけの額がかかります。1年間ではその4倍の120億円かかります。先ほど申し上げました100億を切っている財政調整基金の中で、もちろん国はそういう場合には補正予算を組むであろうと思いますが、私たちはとにかく事前に、かつ迅速に県民の皆様の命を守るための施策なら何でも速やかに行うということであれば、やはりその余裕を持っていなければ、命を守るための責任を果たせないわけですので、他県は大変私にとりましてはうらやましいです。我々も休業補償をしたいけれども、それができる余力がないわけでありまして、その点はぜひ、ご理解を賜ればと思います。
記者
つまり国に対して山梨県のような自治体の窮状を訴えて、そのような自治体に対して独自に助成するように何か働きかけを行っていくという認識でしょうか。
知事
そのようにして参りたいと思います。ただ、今はまず目先の医療体制を確立するために、この予算を議会に通していただいて、これを実行に移す、これに全力をかけていきたいと思います。
記者
ホテル宿泊施設の件についてですが、これは現在入院されている軽症者の方を日曜から順次移していくという認識でしょうか。
補佐官
軽症者の範囲につきましては、要件がございまして、例えば熱が37.5度未満で、施設で外に出ないとか、中でのルールを守る誓約をいただいた方が前提になります。
それ以外に、例えば心臓病などがある方、入院治療を受けているなど基礎疾患のある方、あるいは妊婦の方、高齢者の方は除いた方を受けようと考えております。
記者
具体的に現在入院されている方で、何人か移すのでしょうか。
補佐官
基本的には移すことを前提としております。その上で、今申し上げた条件の方を移すことによって、病床を空けて、要は自宅待機になって亡くなるということを防ぐために、今回そのような取り組みを行うということを考えております。
記者
他の宿泊施設についても順次交渉という話でしたけども、今のところ具体的にその目処がついているもの、例えば何室ですとか、具体的にその宿泊施設名もあれば教えていただきたいです。
知事
下話はもちろんしているところでありますが、まず地元の行政、それから地域の皆様のご理解というものが不可欠であろうかと思っています。現在、順次丁寧にステップを踏みながらお願いをしており、まず、若神楼さん、北杜市さん、それから北杜の地域の方々が大変深いご理解を示していただいて、「差し支えないよ」と、本当に温かく寛大な心を示していただいて、それでようやく本日発表できるということになっております。
他の皆さんについても、順次じっくりお話をして、ご理解を得れば初めてお名前を公表させていただきたいと思いますので、個別名などの詳細につきましては差し控えさせていただきたいと思いますのでぜひご理解いただければと思います。
記者
PCR検査のドライブスルーの件ですが、具体的にどういう体制でいつから行うのか教えてください。
知事
詳細は、現在、山梨大学医学部附属病院でリーダーシップを持って、県医師会、その他の病院の先生方とお話をされているところでありますが、現行の県の検査体制を約2倍にできるという話になっております。
課長
時期については、可能な限り早くということで、今大学の方で検討していただいているところですが、ゴールデンウィーク明けごろをまず目指して準備をしており、あとは、周りの協力体制様々ありますのでそれが整い次第ということになろうかと思います。
記者
ドライブスルー検査について、並べばみんな検査してもらえると思ってしまうのですが、これはどのような方を対象にしているのでしょうか。
課長
基本的には、現在、帰国者・接触者外来には、保健所を通して電話でご相談いただいてからご案内している状況でございまして、この構図はそのまま続けていきたいと考えております。いずれにしろ、どういう仕組みにするかというのは現在協議中でございますので、またきちんとご案内させていただきたいと思っております。
記者
保健所が検査して欲しいと決めた人について、そこに行ってもらうということでよろしいでしょうか。
課長
現時点ではそのように考えております。
知事
かかりつけ医からの要請で行うなどの話もありますが、そこは色々な議論があり、またオペレーションの関係もありますので、決まっていないようですので、これからの話になろうかと思います。
記者
PCR検査について2倍の検査数をということですが、現状はどのくらいの検査能力があるのでしょうか。
課長
現在の1日の平均検査数は、70件程度でございます。県の衛生環境研究所で現在最大110件の処理ができておりますので、これを約2倍にしていきたいと考えております。
記者
一昨日、110件で最多だったと思うのですが、これが現状で最大という理解でよろしいでしょうか。
課長
そうなります。ただ、現在、衛生環境研究所ではPCR装置の増設に向けた準備をしておりまして、きちんと検査体制も拡充するようにということで取り組んでおります。
記者
今回ドライブスルーを行うことで、検査可能数の倍増を目指していくということですが、その結果、PCR検査を受ける判断基準の緩和や変更はお考えでしょうか。
課長
現在も、帰国者・接触者外来において、お医者さんのご判断で検査すべきとなった方は、きちんと全員検査をしている状況でございますので、引き続き、現在の運用できちんと行っていきたいと考えております。
知事
先般、保健所に相談する基準を、全国的には37度5分以上の発熱が4日以上続いていることを一つの目安にしていますが、山梨県ではそこを早めて、発熱があって、他に味覚を感じないとかそういう異常があった場合は、すぐ相談してくださいと呼びかけています。それに伴って、検査能力の増強も必要になりますので、相談の基準というのはもうすでに緩和しているという状況にありますので、それに対応するための貢献になろうかと思います。
記者
ドライブスルー方式で2倍にしていくということは、今後、検査が必要な方はさらに増えていくという可能性があると考えているのでしょうか。
知事
増えた場合でも対応できるようにしようと考えております。我々は早期発見、それに伴う早期治療に結びつけることが、患者にとって負担が最小限になり、ベストな方法だと考えています。それから全体の医療システムにとりましても、重症患者と軽症患者ではかかるマンパワーが違ってきますので、そういう意味では県全体にとりましても、医療崩壊を防ぐという意味で助かることになります。とにかく、状況は行動変容のいかんによって変わってくるかと思いますが、我々は早期発見をしていきたいということで、今回の仕組みを用意させていただいているところであります。
記者
宿泊施設の件ですが、一室当たりどれぐらいの単価で借り上げるのでしょうか。
補佐官
他県の状況等も参考にしながら、組合を通じた業者との交渉により決定しております。
記者
一律というより、その施設との交渉でということでしょうか。
補佐官
その通りです。
記者
重症者用の病院の病床を空けるための措置だと思いますが、その重症者用の病院の病床数は、今のところどれくらい確保できているのでしょうか。
知事
50は確保してあります。
記者
どれぐらいの病床確保を目標としているのでしょうか。
知事
今回の予算により、重症者50床、中等症の方350床、合わせて400床を確保していく予定です。
記者
病床を確保した医療機関に給付金を支払うということですが、それは一床当たりいくらでしょうか。
課長
本来であれば得られるべきであった病院の収益を、コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れたことで減少させないようにするための額です。
大まかな積算としましては、病院の1ベッド当たりの1日当たりの収益が全国的にも山梨もほぼ同じで4.4万円ほどです。空床になり失った収益のうちの一部は、国の空床補償制度で補償されるものですが、そこで足りない部分について、県としてきちんと補填をしていきたいと考えております。
記者
知事が外出自粛要請されたのが13日で、今日で10日目ぐらいになるかと思います。今週に入って段々と感染者数が少なくなっている印象があるのですが、知事の受けとめをお伺いします。
知事
希望的な思いも込めて申し上げると、今おっしゃったとおり、発生数が鈍化しているのかなとは思いますが、当然波がありながら増えたり減ったりしていくわけですし、何よりも、これから大型連休がやって参りますので、多くの県外からの観光客の皆さんが、県内を周遊される恐れもありますので、これ全く予断を許さない状態だと思っています。
できれば今の状態を上限として、新たな感染者が生じないように、今日もなかった、昨日もなかった、こういう言葉が続く日が早く来るように、なお一層気を引き締めていかなければならないと思っております。
記者
小中高校生の感染者がいませんが、休校をしている効果があったと捉えていますでしょうか。
知事
はい。私はそのように思っております。現状、お子さんに感染者が出ていないのは、多くの関係者の皆様の苦しい思いの中で、学校を休業していることの効果が現れているのではないかと思います。
記者
先ほどの富士北麓7市町村長との会議でも出ていましたが、県外からの来訪者が全く減っていない印象をお話されていました。また、小菅村でも減っていないということで、林道などを閉鎖することを決めましたが、県外から来る人を止める方法について、何かお考えになっていますでしょうか。
知事
7市町村長との共同宣言も含めまして、地元の意思を県外に対してお伝えをしていきたいと思います。共同宣言に関しては、例えば、全国旅行業界の皆さんに対して、協力の呼びかけはして参りたいと思います。また、公共の駐車場のクローズや、富士スバルラインの通行止めをするべく、今最終段階の詰めをしているところであります。
記者
市町村長からは、災害時みたいに中央道や中央線を流通を除いて止めるぐらい強いことをやってくれないかという話もありましたが、それについてはいかがですか。
知事
昨年の台風19号も含めまして、交通は私どもが止めたのではなくて、止まってしまったということですが、お気持ちはすごくよく分かります。しかし、現行の法律体系のもとでは、通行止めにするということは、容易ではない仕組みになっています。ですので、この点に関しては、ぜひ、国で真正面から検討していただきたいと思っています。道路法、道路交通法では、感染症によって道路を止めることが全く予定されておりません。私としては、この感染症拡大を防止するために、多くの皆さんから声が上がっているような、一定の公共交通、あるいは公共交通のための道路等の施設などの制限ができるような法体系を、ぜひ、緊急事態宣言収束後に速やかにご検討していただけると、ありがたいと思います。
記者
緊急事態措置を発出した効果について、どのように受けとめているか教えてください。
知事
大変多くの皆様のご理解はいただいていると思います。賛否両論あるのは当たり前だと思いますが、相当程度、大部分と言ってもいいのかもしれませんが、多くの皆さんも辛いけどやむを得ない、早く終わらせることが最大の経済対策であり、早く終わらせることが県の生活、県民の皆さんの生活の豊かさに繋がる道だということは一致していると思います。意識も相当広がっていることを踏まえれば、効果はすぐには見えないかもしれませんが、いずれ効果になって見えてくると信じています。
記者
休業への協力要請もいくつかの業界にされていると思いますが、なかなかお休みされてないようなところがあったり、休業の協力要請の対象ではないけれども、人が多く集まってしまって県民から不安の声が相談ダイヤルに多く寄せられているという話を聞きますが、どのような対処を考えていらっしゃいますでしょうか。
知事
個別の状況を見ながらですが、まずは図らずも多くの皆さんが集まってしまうような事例が、スーパーマーケットなどで散見されるという話は私も耳にしております。これまで私どもは、生活必需品も含めまして、小売業の皆様に対して、一定の間隔密度を保つために入場制限をしていただくなど、工夫をしていただけないかとお願いしているわけですが、連休を前に再度お願いをしていきたいと思います。また、休業の協力の要請をしていますが、やらざるをえないというところもいくつかあるという話も、同様に耳にしています。そういうところに対しては、この新型コロナウイルス感染症の拡大状況を早期に収束させることが最大の経済対策だということをご理解いただいて、ご協力をいただくように再度働きかけをしていきたいと思います。
記者
休業しない事業所について、例えば45条への引き上げや、事業所名の公表をすぐされるという考えはありますか。
知事
まずは説得をするということです。状況をご理解いただくということが、優先されるべきステップだと思います。
記者
先日、全国知事会が、臨時交付金の上積みを国に要望しています。それについて知事のお考え、受け止めを伺います。また、仮に上積みがあった場合、今見送っている協力金、休業補償など、何かしらの形で事業者支援に充てるお考えがあるのかお伺いできますでしょうか。
知事
私どもと致しましても、臨時交付金は是非とも上積みをしていただきたいと思います。県も臨時交付金を使って今回の臨時議会に補正予算を提出していますが、この額であってもわずか3ヶ月分しかもたないということで、ぜひこれこの3ヶ月で終わることを強く期待はしておりますが、スペイン風邪の場合は1年に2回大きな波が来ているという事情も踏まえれば、さらに3ヶ月あるいは6ヶ月分対応できるような資源を本当に切望致しております。命を守るためのことが最重点で、これはいかなることがあっても貫いていきたいと思っていますが、その上で、新たな臨時交付金をいただいてできる状況であれば、ぜひとも休業補償、休業要請に対する支援、それにご協力いただいた方々への感謝と支援を込めた仕組みというものを考えて実行したいと思います。
記者
午前中の富士北麓地域7市町村長との共同宣言の件ですが、小菅村や北杜市など、人が多く来ることが予想される場所が入っていませんが、県として県全体でより強く自粛を要請するような形の宣言などのご検討はされているのでしょうか。
知事
当然やっていきたいと思います。今回は特に北麓の首長さんたちとやりましたが、おっしゃるように北杜市もそうですし、その他の地域もありますので、皆さんそう思っていると承知していますが、改めて確認をさせていただいた上で、山梨県全体としても、さらなる強いメッセージを大型連休前に発出したいと思っています。
以上